剣淵町の漬物、味噌、でんぷん団子、シフォンケーキ…


プラクティス2014年春号は剣淵町に伺いました。

15 剣淵

農家のお母さんたち10人による農産加工グループ「福友会」の漬物・味噌・でんぷん団子づくりや

子育てママさんたちのグループ「トイ・トイ・トイ」によるシフォンケーキなど、

こだわりの農産加工品がいっぱいの記事になりました!

 

漬物を特産品に

剣淵町は昭和58年、農産物を活かしたまちおこしを進める拠点として農畜産物加工研究施設を建設しました。最初に取り組んだのが、漬物をはじめとする農産物の加工と販売です。平成3年には農協女性部などに呼び掛け、初めて漬物コンテストを開催しました。出品作品をまとめた冊子「おふくろの味自慢」は、町内外から大きな反響を呼び、地場産農産物を活かした特産品開発の機運が高まっていきました。
平成6年には、農家のお母さんたち10人による農産加工グループ「福有会」が結成されました。お母さんたちにとって漬物づくりはお手のもの。規格外農産物の有効活用にもなります。試作段階では、ニンジン、ナス、タマネギなど、多彩な野菜を使いながら、大根だけで麹に漬ける三五八漬けや紅ショウガ漬け、鉄砲漬けなど15種類の漬物ができました。農閑期には弁当持参で集まり、4年間にわたり試作に没頭したそうです。

スモモの漬物が人気

福有会が現在も販売している唯一の漬物は、町民の声がヒントになったスモモの漬物「美味しそモマニ」です。農家の庭先にあるスモモを8月に収穫し、水洗いしてから塩水にしっかり漬け、農閑期の11月まで保存します。次にスモモを巻く赤シソを用意します。塩もみをしてアクを出し、水ですすいでから樽で下漬けします。保存しておいたスモモは、半分に切り、種を取り除いてから、1個ずつ丁寧に塩漬けした赤シソで巻きます。これを樽に並べて、上から砂糖をかけ、軽い重石で4~5カ月程漬け込むと出来上がりです。甘く漬けているのでお茶うけとして大人気です。町内にある道の駅「絵本の里けんぶち」では、1パック(250㌘)を300円(税別)で販売しています。
無添加 ・ 手ごねの「元気福みそ」

福有会のこだわりは無添加です。漬物は賞味期限が短く、保存料を使わないと商品化には難しい面もあります。無添加にこだわって力を入れ始めたのがみそ作りです。「元気福みそ」という商品名で、米麹みそ、青大豆みそ、麦麹みその3種類を販売しており、平成14年には北海道味噌醤油工業組合理事長賞を受賞しました。みそ作りは毎年12月に作業が始まります。3日間かけて麹作りを行い、4日目にゆでた大豆に麹と塩を加えて手ごねします。作業は3月末までメンバーが交代で繰り返します。重労働ですが、手でこねることで大豆の風味やまろやかさが増します。原料はすべて町内産で、化学肥料や農薬の使用を抑えた特別栽培の米や大豆を活用しています。みそ汁にしてみると、大豆、麹、塩だけで作った白みその風味がとても引き立ちます。
みそ作りの面白さや、おいしさを広く伝えようと、福有会では毎年、町内の小中学校・高校の給食用に240㌔のみそを無償で提供しています。また、町民向け講座や剣淵高校での出張指導も行っています。給食でみそ汁を食べた子どもたちが、家族を連れて買いに来てくれることもあるそうです。

最新作は「でんぷん団子」

平成24年に俳優の大地康雄さん企画・主演の映画「じんじん」(山田大樹監督)が、剣淵町を舞台に撮影されました。福有会もロケ弁など800食を提供しました。大地さん演じる主人公・立石銀三郎が、映画のワンシーンで「これを食べるために帰ってきた」と語った「でんぷん団子」を平成26年2月に福有会が商品化しました。 凍ったままフライパンで焼くだけで、団子の外側はカリっと香ばしく、内側はもっちりとした食感です。ホクホクとした金時豆の甘みが絶品で、どこか懐かしさを感じさせる味です。
剣淵町農林課の精進直樹課長補佐は「福有会は町内のイベントを中心に年間10回以上も出品しています。町のにぎわいづくりや農産物の地産地消に貢献してくれています」と話してくれました。

米粉と野菜のカラフルシフォン 

平成25年2月に、新しい主婦グループが誕生しました。子どもが小学校の同級生という4人のママが結成した「トイ・トイ・トイ~けんぶちからのおくりもの」というグループです。名前の由来は幸運・成功を祈るドイツ語のおまじないです。地域の食材を活かしてお菓子づくりに取り組んでいます。

きっかけは平成23年―。町が導入した製粉機を活かし、米農家の新見和恵さんが作った米粉で、お菓子作りが趣味の瀧見絵美さんがシフォンケーキを焼きました。道の駅のイベントで試験販売したところ、用意した30個がすぐに売り切れる人気ぶりでした。木村みなさん、調理師免許を持つ田西ひとみさんも仲間に加わり、トマト、トウモロコシ、カボチャなどの野菜粉末やペーストを生地に混ぜ込んだ色鮮やかなシフォンケーキを完成させました。米粉のもちっとした食感と鮮やかな色合いが評判を呼び、各イベントで人気の商品です。
米粉のおやきとお芋のチーズケーキ  
「トイ・トイ・トイ」は、結成後すぐに、町内で開かれた「スノーフェスタ」で、玄米粉や黒米粉の生地に福有会から提供を受けた餡を使った「おやき」を販売しました。年間30を超えるイベントに出店しましたが、どこでも引っ張りだこの商品です。
また、メンバーで考えた「ポテトジュエリー」は、じゃがいものレアチーズに、シャドークイーンの赤紫色のソースとのトッピングが、まるでジュエリーを思わせる出来栄えです。
剣淵町では、町民やグループが町の施設を使い、農産物の乾燥や製粉を手軽に行うことができます。毎月のように開かれる町内のイベントに参加するお母さんたちのグループも、商品試作や販売に使う原料を手軽に用意することができるので大助かりです。おいしくて健康に良いものを食べて欲しいと願っているお母さんたちの努力はもちろん、その取組を支える地元の皆さんの熱意に感激しました。次回も道内各地から魅力的な食材と道産食材の活用に取り組む元気な皆さんの活動をレポートします。

miyan33 について

木村 光江(みーやん)bambic.バンビック代表 北海道フードマイスターとして地産を活用したクッキング講師として活動の場を広げているみーやんです。 ・北海道らしい食づくり名人・野菜ソムリエ・雑穀エキスパート・日本デコ巻きずし協会 北海道支部代表 料理講師、レシピ開発、商品アドバイザー業務、食育講座の企画&協力、市町村のイベント司会/MCなどの仕事をしています。

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