日本一の豆の町、本別町でマメに働くお母さんたちに出会いました。


プラクティス2015年冬号は本別町に伺いました。

17本別

豆の生産量では日本一の北海道ですが消費は低迷しています。そこで「本別発・豆ではりきる母さんの会」と「まめっこ倶楽部」の方々に、豆の町ならではの、各家庭での納豆づくり、ようかんづくり、そして豆腐やみそづくり、さらには「白花豆のレモン煮」など美味しい豆料理をたくさん教えて頂きました。

 

豆はお母さんの味

広大な十勝平野の内陸部にある本別町は、夏から秋にかけては昼と夜の寒暖差が大きく、良質の豆類を生み出しています。町内にはJA本別町女性部のお母さんたちが平成12年に立ち上げた「本別発・豆ではりきる母さんの会」があります。21人のメンバーが豆腐、みそ、お菓子などの生産と販売を手掛けています。名前には「まめに働く」「母さんたちが心を込めて作る」という熱い思いが込められています。町内では、グループの名前を略して「豆はり母さん」の愛称で親しまれているそうです。
「子どもの頃は煮豆や納豆、お汁粉、おやき、みそ汁など、毎日必ず豆を食べていましたね」と、豆にまつわる思い出を教えてくれたのは熊谷ひとみ会長です。「冬には行火に炭と柔らかく煮た大豆を稲ワラか箱に入れて、布団の足下に置いて寝ると、大豆が発酵するちょうど良い温度になります。朝起きてみると、糸は少ないですが、とてもおいしい納豆ができました。子どもの頃は、お母さんが作った納豆しか食べたことがありませんでした」。
熊谷さんのお話は続きます。「お父さんはようかんが好きで、畑仕事が一段落した12月になると、まきストーブに乗せた鍋で小豆を煮て、砂糖を入れてようかんをたくさん作りました。地域の集まりがあるとみんなでようかんを持ち寄り、食べ比べるのが楽しみでした」と懐かしそうに話してくれました。ようかんは洋菓子よりもカロリーが控えめで、栄養も豊富です。甘い物が苦手という男性でも「ようかんは大好き」という人は多いですよね。

マメに働くお母さんたち

「豆はり母さん」には、みそ作りを専門にしているメンバーが5人います。新豆が収穫される11月末になると800㌔近い大豆を使って仕込みに入ります。メンバーの畑で作った大豆と、日高の農業者仲間から取り寄せたコメが原料です。仕込みに続く4日間は麹作りに掛かりっきりになります。防腐剤は使わず、加熱処理もしません。袋詰めしたみそを暖かい室内に置いておくと、酵母が活発に活動するようになり、中で炭酸ガスが発生して、袋が膨れてくることもあるそうです。
「膨らんだ袋を見て『腐っているんじゃない?』と言われることもありますが、酵母が活発に活動している証拠なので、ガスを抜いて保存しておけば大丈夫です。子どもの頃から作り続けてきたみそのおいしさを皆さんに味わって欲しいと思います」と、メンバーの鈴江加世子さんが言います。熟成した手作りみそは、翌年の3月、6月、7月に袋詰めして販売します。
豆腐のチームは11人で、地元の小中学校や定期購入している人のために毎週、豆腐や揚げを作っています。お菓子のチームは5人で、町内のイベントなどで販売するようかんや焼き菓子などを作っています。煮豆やみそ、ようかんなどを詰め合わせた「豆はりセット」はJA本別町のホームページで購入できます。

お母さんのオススメレシピ

本別町の皆さんに教わったお料理を二つご紹介します。まずは「白花豆のレモン煮」です。白花豆の甘煮にレモンの酸味と香り、そしてバターのコクが加わり、洋風な食感になります。普段食べている煮豆とは、ひと味違ったおいしさを楽しめます。煮崩れがしにくい白花豆は肉厚で、しっとりホクホクしています。デザートとして、紅茶と一緒にいただきたい逸品です。一晩水に浸した白花豆を軟らかく煮てから、砂糖とレモンスライスを加え、仕上げにバターを入れて出来上がりです。
続いて色鮮やかな「黒豆入りちらし寿司」です。調理は簡単です。黒豆を洗い、フライパンで空煎りすると、皮にひびが入ります。沸騰したお湯に煎った豆を入れて、3分ほどゆでてから余熱で火を入れます。といだコメに熱を取った豆と煮汁を加えて炊飯器で炊き上げ、合わせ酢と混ぜると鮮やかなピンク色に染まります。また、在来種の鞍掛豆を若サヤごとゆでて、仕上げの彩りに添えています。

豆の産直にチャレンジ

「まめっこ倶楽部」の皆さんは平成9年から、生豆の全国販売に取り組んでいます。メンバーの前佛由美子さんは「私たちは本別の農家で育ったので、農協に出荷した豆がどうなるのか知りませんでした。初代会長の横山小月さんが『消費者の声を聞いてみたい』と思い立ち、町内の菓子店・豆屋とかち岡女道本家さんと一緒に、甘納豆と生豆を羽田空港で販売したところ大好評でした。道外の物産展で販売を始めるとファンが増え、全国のお客さんに直販するようになりました」と振り返ります。
メンバーの皆さんは、本州の物産展で「豆がとても軟らかくておいしいですね」というお客さんの言葉に驚いたそうです。前佛さんは「私たちはいつでも新豆を食べているので、軟らかいのは当たり前でした。スーパーで売っている豆は、皮が固くて口に残るそうです。地元で聞くことができなかった高い評価が励みになっています」と話してくれました。全国に発送する商品には豆のおいしい食べ方を紹介するレシピも添えているそうです。この冬のレシピは「青大豆のスムージー」と「黒豆入りちらし寿司」です。
生豆をおいしく保存する方法も伺いました。お店では豆の種類が分かるよう、透明のビニール袋に入れて販売していますが、そのままでは通気性が悪く、皮が固くなってしまうので、自宅に持ち帰ったら紙袋に入れて保管すると良いそうです。
本別町にある「道の駅ステラほんべつ」には、本別が発祥の地とされる黒豆・中生光黒を使った地域ブランド「キレイマメ」の商品がずらりと並んでいます。武蔵野美術大学の学生がデザインした、おしゃれなパッケージが人気を集めています。豆腐やみそ、煮豆、甘納豆、きな粉、アイスクリームなど、商品のバリエーションも豊富です。また、クリのようにホクホクしておいしい栗豆など、市場には出回らない珍しい豆類も販売しています。
本別町で生産されている色とりどりの豆―。昨夏は豊作のため豆類は大きく値下がりしました。こんな時こそ、北海道で生産されたおいしい豆をみんなで食べて応援しませんか。

miyan33 について

木村 光江(みーやん)bambic.バンビック代表 北海道フードマイスターとして地産を活用したクッキング講師として活動の場を広げているみーやんです。 ・北海道らしい食づくり名人・野菜ソムリエ・雑穀エキスパート・日本デコ巻きずし協会 北海道支部代表 料理講師、レシピ開発、商品アドバイザー業務、食育講座の企画&協力、市町村のイベント司会/MCなどの仕事をしています。

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