羅臼町で昆布の魅力、昆布料理をたくさん教わりました!


2015年春号は羅臼町に伺いました。

羅臼

羅臼町の昆布は、昆布漁から出荷に至るまでに40の行程を経て作られる日本を代表するこだわりの地域ブランドです。羅臼漁協の女性部の皆さんが、日頃から羅臼昆布を上手に使って美味しい料理を作ってくれました。

 

浜が支える羅臼昆布のうま味

最高級の品質を誇る羅臼昆布は、知床半島と国後島に挟まれた、根室海峡で育まれます。オホーツク海の宗谷暖流、太平洋の親潮、そして、大陸から南下してきた流氷は、豊富な栄養を運んできます。知床連山から流れ込む80を超える河川も、海の恵みを一層豊かなものにしています。
羅臼昆布は香り高い濃厚なだしが特長です。それは昆布の生産に携わる漁業者の皆さんの努力の結晶でもあります。羅臼では7月中旬〜8月下旬に昆布漁が行われますが、出荷までには40を超える工程があるのです。
水揚げした昆布は、家族や住民総出で、玉砂利を敷いた浜辺(干場)で乾燥させます。日光で玉砂利の温度が高くなり過ぎると、品質が落ちてしまうので、昆布を小まめに移動しなければなりません。日没前には、夜露に当たらないよう番屋に取り込み、朝になると再び干場に引き出します。昆布を伸ばして重ね、重石を乗せる「あんじょう」や、再び日光にあてる「日入れ」などの作業でうま味を高めていきます。そして、社団法人北海道水産物検査協会の検査員による厳しい製品検査や等級分け、低温倉庫での保管など、念入りな工程が、羅臼昆布のうま味を引き出す秘訣なのです。
お母さんたちの昆布活用法

羅臼漁協の調理室では、女性部の皆さんが、昨年夏の「しれとこ羅臼昆布フェスタ」で大人気だった「昆布ドーナツ」と、肉厚の羅臼昆布を使った「昆布チップス」を作ってくれました。

木村 スイーツは珍しいですね。
釣久美子さん 昆布と言えば、だしやご飯のおかずに使われることがほとんどですが、初めておやつ作りに挑戦しました。ドーナツは昆布の粗挽きが入っています。3個入り100円で販売したところ、100袋がすぐに売り切れる人気ぶりでした。
木村 ドーナツにまぶしてある昆布パウダーは良い香りです。昆布チップスもとてもおいしいしいですね。
浅野光樹さん チップスは養殖の昆布を素揚げして、砂糖をまぶした物ですが、昆布漁師の食卓では定番です。少し苦みがあるかもしれません。水あめに砕いたピーナツを混ぜて、昆布に絡めるなどアレンジもできます。
木村 お総菜も美味しそうですね。
宮森久美子さん 昆布の佃煮は、お祭りでパック販売しています。だしを取った後の昆布を冷凍保存しておいて材料にします。アクを取るためにゆでこぼしてから砂糖、しょうゆ、酒、水あめで味付けします。ホッケのすり身を使った昆布巻きは、昔からお祝いの席には欠かせない料理で、昆布ですり身を巻いてから蒸し上げます。こうした料理はお姑さんから習います。
「ツブと昆布のワサビあえ」は、養殖で間引いた「すぐり昆布」を使います。若い昆布で軟らかく、早く煮えるので、ツブやニンジンを湯通しし、麺つゆを昆布だしで割り、ワサビを溶き入れてから昆布と一緒にあえます。
木村 浜の料理は甘めですね。
浅野光樹さん お父さんたちは力仕事で疲れるので、濃くて甘めの味を好むのかも知れません。だしは麦茶を入れる容器に昆布を入れ、冷蔵庫に常備しています。3回以上だしがとれるので経済的です。だしを取った後の昆布も佃煮などに使えます。
坂本美幸さん 「海ライス」は、といだお米に粗挽き昆布を入れて、昆布だしと麺つゆ、さらに塩を加えて炊き上げます。身をほぐした鮭の山漬けを混ぜて、白ごまと大葉を散らします。
木村 昆布の用途がバリエーション豊富ですね。
釣久美子さん だしは作り置きしておき、鍋料理やカレーライスなどの料理にも使います。昆布パウダーも調味料感覚で、天ぷらやスープ、蒸しパンなど、いろいろな料理に使います。地域で葬儀などがあれば、女性部が総出で昆布巻きなどを作っています。
木村 女性部の皆さんは、水産や食を通じて地域を支えているんですね。
坂本美幸さん 漁師の奥さんは、昆布加工の仕事をしながら、家族の食事を用意したり、乗組員のお弁当を作ったりと大忙しです。だから手間の掛かる料理はなかなかできませんが、最近では、修学旅行生に地場産食材を使った料理の指導をしたり、札幌や東京、九州などに出向いたりして、羅臼で獲れた水産物のPR活動をしています。

昆布の魅力をもっと伝えたい

羅臼漁協昆布漁業部会長の井田一昭さんは、羅臼を訪れる修学旅行生をはじめ、札幌や旭川の幼稚園や調理専門学校、さらにはスペインの国際料理学会まで出掛けて「昆布の授業」をしています。井田さんの授業を受けた人は、年間1000人を超えています。井田さんは「例えばみそ汁。漁師流なら、みそを溶き、具を入れ、ひと煮立ちさせてから昆布を入れます。それでも十分にうま味が出ます。料理の手間を惜しむ人でも、これなら簡単ですね。羅臼では子どもの離乳食にも、熱燗にも昆布を入れます」と話してくれました。
井田さんは、漁協女性部の皆さんと一緒に、日本食の原点である昆布だしを国内外に発信しています。和食がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたこともあり、日本発の昆布だしが世界に広まりつつあります。羅臼昆布で取っただしを海外の料理人が試飲すると、そのうまみの強さに驚きの声を上げるそうです。
井田さんは「子どもたちには『羅臼には世界に誇る昆布がある!』と教えています。羅臼昆布の魅力を世界に発信することで漁業を守り、食生活を豊かにして、子どもたちの誇りにつなげていきたいですね」と夢を膨らませています。

miyan33 について

木村 光江(みーやん)bambic.バンビック代表 北海道フードマイスターとして地産を活用したクッキング講師として活動の場を広げているみーやんです。 ・北海道らしい食づくり名人・野菜ソムリエ・雑穀エキスパート・日本デコ巻きずし協会 北海道支部代表 料理講師、レシピ開発、商品アドバイザー業務、食育講座の企画&協力、市町村のイベント司会/MCなどの仕事をしています。

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